🇵🇬#04 評価をどうしよう?(PNG Kamishibai PJ)

今日は、代表の私、笹瀬正樹が個人で取り組んでいる、

パプアニューギニア KAMISHIBAI プロジェクト
※略して「PNG KAMISIBAI PJ

についてご紹介します。

この記事では、この2023年6月〜7月に、4年半ぶりに渡航するパプアニューギニアでのプロジェクト実施の活動についてをお話しします。

※プロジェクト実施の経緯はこちらの記事をご参照ください。

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目次

評価をどうしようか…

今回、パプアニューギニアで紙芝居をする目的の1つが、協力隊時代に十分にできなかった「データ」をとること。

もう6年ほど前のことになりますが、

紙芝居が面白かったのか、ねらいに効果的だったのか、改善が必要かどうかなどを、きちんとデータで示せたら良かったな…

なんて、隊員時代の心残りがあったためです。

とはいえ、紙芝居が良かったかどうかをどうやって評価しようか…

というところでつまずいていました。

  • アンケートをするなら記述式?選択式?
  • それともインタビューがいいだろうか?
  • 生徒に聞くべき?それとも先生や保護者?
  • どうやって聞いたら正確にデータが取れる?

考えても考えてもラチが開かないので、専門の方に相談してみることにしました。

大学の先生に相談

実は2020年7月に、教育を専門とする2人の先生のゼミでオンライン授業を実施したことがあり、その繋がりを頼り、勇気を出してお願いみることにしました。

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なんと、とても快く相談に乗ってくれました。(偉大な人は懐も広い!)

相談に乗っていただいた先生は以下のお2人です。

加藤弘通先生(北海道大学)

1人目は北海道大学の加藤弘通先生

加藤先生は、「思春期」「いじめ問題」「学級の荒れ」「規範意識」などを専門に研究している、教育心理学発達心理学のスペシャリストです。

私が静岡大学の大学院で学んでいたときにお世話になった先生で、子どもの発達の授業で「はじめてのおつかい」のビデオを活用して、楽しく、そして分かりやすく教えてくださったのが印象的な先生でした。

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藤井基貴先生(静岡大学)

そして2人目は、静岡大学の藤井基貴先生

藤井先生は、「教育哲学」や「防災教育」「道徳教育」「スポーツ倫理」などを専門に研究していて、学生と一緒に教材開発をしたり、大学の国際教育推進にも関わっている、とてもユニークな先生です。

学生が中心になって開発したという防災紙芝居は、JICAのサポートでスペイン語に翻訳され、エクアドルでも活用されているそうです。

静岡大学 研究フェロー・若手重点...

1時間半のミーティング

4月28日(金)に、北海道、静岡、そしてタンザニアをZoomで繋いで相談させてもらいました。

左上:加藤先生 右上;藤井先生 下:笹瀬

「データの取り方」のことから「紙芝居の内容」のことまで、とてもたくさんのご意見をいただきました。

そして「より広く知ってもらうため」アドバイスも!

簡潔には書き切れないので、ここでは「アドバイスから考えたこと」の一部と「どうやって調べる?」という結論だけ…。

いただいたアドバイスから考えたこと

「使ってみたい!」と思ってもらえる教材

もともとは、子どもたちが紙芝居を通して「ゴミのポイ捨てをやめよう」と思えて、「学校に落ちているゴミの数が減ったか?」とか、「子どもが友達のポイ捨てを注意できるようになったか?」ということを明らかにしようと考えていました。

それがはっきり示れば教材への信頼が増し、良さがより先生たちに響いて使ってもらえるようになるのかなと。

でも、今回先生たちとお話をしてみて、「紙芝居のすぐ後だけ見ても分からないかも…」「もっと長い目で見ないと難しいのでは?」と思うように…。

それよりも教材としての価値や、紙芝居作成の意図をしっかり伝えることで「使ってみたい!」と思ってもらえることに重きをおこうとお思います。(もちろん子どもたちにも質問はしますが!)

そこで、紙芝居の直後に行動が変わることよりも、「子どもが新しい考え方を知れること」や「先生や保護者が新しい指導の仕方を知れること」を目指します。

今までは、「ゴミのポイ捨てはやめよう!」というその行為だけを注意する指導や、落ちているゴミ拾いをさせているだけの指導しかされていなかったから減らなかったけど、理由も結びつけて伝えたり、考える機会を作ったら結果が変わるんじゃない?

というのを、先生たちに教材を通して伝えることを目的にしようと思います。

先生たちに共感してもらい、「これはぜひ使ってみたい!」と思ってもらえればGood!

日本人が作った教材

また、絵本や紙芝居などの物語を通して道徳性・規範意識を養うことは、日本の幼稚園や小学校などの現場で広く実践されている教育方法であることも説明をする予定です。

例えば、日本の幼稚園教育要領解説にもこんな記載があります。

絵本や物語などに親しみ、興味をもって聞き、想像をする楽しさを味わう。

教師や友達と共に様々な絵本や物語,紙芝居などに親しむ中で,幼児は新たな世界に興味や関心を広げていく。絵本や物語,紙芝居などを読み聞かせることは,現実には自分の生活している世界しか知らない幼児にとって,様々なことを 想像する楽しみと出会うことになる。登場人物になりきることなどにより,自分の未知の世界に出会うことができ,想像上の世界に思いを巡らすこともできる。このような過程で,なぜ,どうしてという不思議さを感じたり,わくわく,どきどきして驚いたり,感動したりする。また,悲しみや悔しさなど様々な気持ちに触れ,他人の痛みや思いを知る機会にもなる。このように,幼児期においては,絵本や物語の世界に浸る体験が大切なのである。

幼稚園教育要領解説(平成30年2月版)

「これまでにない見方やアイデアを呈示する」ことで先生たちに認めてもらうことで、使ってもらえる教材開発を目指します。

市民をつなぐ教材

しかもなんと、渡航予定のココポ市の市役所では、役所が主体となって子どもたちを含めた市民と一緒に定期的に海岸のゴミ拾い活動を実施していたり、JICAより環境教育の協力隊員が派遣されていたりと、環境教育には力を入れている地域な印象です。

学校と役所と子どもたちを含めた市民を繋げるようなツールになればいいな、と思っています。

そして紙芝居を通じて、町に住む大人や子どもが「より良い街を目指そう!」と思えるようなきっかけになれば最高です。

どうやって調べる?

子ども向けのアンケートとインタビュー、そして大人向けのインタビューでデータを取ります。

子ども向けアンケート

紙芝居の読み聞かせをする対象の子どもたちに、アンケートを書いてもらいます。

ただ、アンケートを子どもに書いてもらうときは4年生以上でないと信ぴょう性に欠ける可能性が…
(3年生以下は通常、保護者から子どもに質問して答えてもらう)

ということで、答えてもらうのは4年生以上の子どもを対象にしようと思います。

質問の内容は下の3つで、四段階で答えてもらいます。

  1. 物語、イラスト、そして問題に答えるのは楽しかったですか?(各項目で回答)
  2. 紙芝居の授業は、勉強になったと感じましたか?
  3. 今後の自分の行動が変えられそうですか?(ポイ捨てをやめられそうか?)

3つ目は、「そもそもゴミのポイ捨てを、良くないことだと思っている?」というところにも注目する必要がありそうです。

子ども向けインタビュー

①個人内で比較

各クラス5名の子どもをランダムに数名選び、紙芝居の前と直後、一週間後に下の質問をインタビュー形式で質問する。

授業の前

  1. ごみのポイ捨てをしたことがありますか?
  2. ゴミのポイ捨てをすることをどう思いますか?
  3. 友達がゴミのポイ捨てをしていたらどうしますか?

授業の後

  1. 今日の授業はどうでしたか?
  2. 紙芝居を聞いて、何が面白いと思いましたか?

一週間後

  1. ごみのポイ捨てをしたことがありますか?それはなぜですか?
  2. ゴミのポイ捨てをすることをどう思いますか?それはなぜですか?
  3. 友達がゴミのポイ捨てをしていたらどうしますか?

②個人間で比較

授業から1週間後に、実施していないクラスでも以下の質問をして、授業をしたクラスと比較する。

  1. ごみのポイ捨てをしたことがありますか?それはなぜですか?
  2. ゴミのポイ捨てをすることをどう思いますか?それはなぜですか?
  3. 友達がゴミのポイ捨てをしていたらどうしますか?

大人向けインタビュー

紙芝居の読み聞かせを聞いてくれていた先生、保護者の方にもインタビューに答えてもらいます。

  1. これまで、ゴミのポイ捨てについてどんな指導をしてきましたか?
  2. 物語、イラスト、そして問題に答えるのは子どもが楽しめていたと思いますか?(or何が楽しかったと思いますか?)
  3. この紙芝居を通して、子どもの行動は変わる(ポイ捨ては減る)と思いますか?
  4. この紙芝居は、どんな時や場合に使えると思うか。
  5. 紙芝居を使ってみたいと思いますか?また、それはなぜですか?
  6. 他にどんなテーマがあったらいいと思いますか。

5つ目の使ってみたい理由は、「これまでそういう教材がなかったから」でもOK。

さいごに

今回の紙芝居プロジェクトを通して、ボクにはこんな夢があります。

  1. 紙芝居を通して、子どもが楽しく学びながら現地の問題解決に繋がる機会をつくりたい
  2. 先生には、子どもに伝えたいことを伝える教育の手段としてこの紙芝居を使ってほしい
  3. 以前作った紙芝居を改善したり、質をアップさせたい。
  4. 先生や保護者らと連携をした次回作を作りたい!(資金次第だが現地アーティストさんの絵を使えたら最高!)
  5. 理数科教育への興味に繋がる「科学絵本の読み聞かせ」など、絵本を通じた教育支援活動を推進したい
  6. 本プロジェクトで成果が得られれば、「JICA 基金」などの補助金にも応募したい

たった1ヶ月の渡航でちょっと欲張りすぎかもしれませんが、これが本気でボクが成し遂げたい目標です!

そのために6月〜7月にパプアニューギニアプロジェクトの第一歩目を踏み出すため、絶賛準備を進めているところです。

続きの記事もお楽しみに!

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一般社団法人 Wakwak for Everyone
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知らない世界に出会うこと、興味や関心があることを学ぶことはとても刺激的で、わくわくします。私たちは、タンザニア等への現地訪問スタディツアーや海外と繋がるオンラインイベントなど、学びの機会を提供する団体です。日本の子どもはもちろん、開発途上国の貧困地域の子どもにも「わくわく」を感じてもらうことを目指します。
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コメント

コメント一覧 (1件)

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    私もささせくんとの繋がりを活かさせてもらえてありがたいよ。またよろしくね!

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