今日は、代表のわたくし笹瀬正樹が、協力隊を育てる会の帰国隊員支援プロジェクトのサポートを受けて取り組んでいる、
パプアニューギニア KAMISHIBAI プロジェクト
※略して「PNG KAMISIBAI PJ」
についてご紹介します。
まず初めにこの記事では、プロジェクト実施の経緯についてをお話しします。
協力隊時代に感じた課題
私は、2015年1月〜2017年3月までの間、青年海外協力隊としてパプアニューギニアで小学校の先生をしていました。
その時に課題に感じたことの1つが、
「子どもたちが本に触れる機会がとても少ない」ことでした。
多くの学校には図書室はおろか、
子どもたちの読める本は置いてありません。
私が働いていた学校には図書館はあったのですが、
置いてあるのは海外から寄付されたであろう古く難しい英語で書かれた本ばかり…
子どもが気軽に楽しめる絵本や児童書のようなものはほとんどありません。
しかも図書室には常に鍵がかかっており、
子どもたちが自由に本を手に取ることはできませんでした。
私の取り組んだ活動
もっと子ども達が気軽に本を楽しむことのできる機会があればなあ…
そんな思いで始めたのが紙芝居制作です。
パプアニューギニアで自分が問題として感じていたことや、
他の海外協力隊の仲間が取り組んでいること
そして先生たちが生徒に対して困っていること
などをテーマに紙芝居を作ってみることにしました。
- 現地の子どもたちが身近に感じられる場面や登場人物で、
- ちょっと笑える面白いストーリー構成で、
- 英語よりも理解しやすい共通語(ピジン語)訳を添えて、
- 現地の課題解決にも役立てることができて、
- 楽しい時間にいつの間にか大事なことを学んでいる。
そんな風に、子どもたちが楽しく「本」や「物語」に触れられて、結果子どもも大人もハッピーになるような絵本を目指しました。
その第一作目がこちら。
ゴミのポイ捨てに関する物語です。
同僚の先生と一緒に物語を工夫したり、
共通語であるピジン語への翻訳を手伝ってもらったり、
また、上の映像教材を作る際には、先生のレコーディングのためにラジオ局から協力を得て設備を使わせてもらいました。
多くの方々の協力を得て、活動は少しずつ形になっていきました。
活動に対する反応は?
活動では、私の配属先の小学校をはじめ、
様々な小学校の低学年の子どもたちに読み聞かせをしました。
時には電気も通っていないような離島や山奥の村などを訪問したり、
町のお祭り会場で読ませてもらったこともありました。
子どもたちの反応は大好評!
夢中になってお話を聞いてくれました。
(笑いどころでは大爆笑も起こりました。ホッ😌)
学校の先生や、村のお母さんから、
「こんな伝え方や教え方があるなんて、考えてもいなかった!」
と、嬉しい感想を頂いたこともあります。
また、配属先の学校では「ゴミのポイ捨て」に関する紙芝居を読んだ後日、
子どもたち同士でゴミのポイ捨てを注意し合う様子も見られました。
ある生徒が、紙くずをグラウンドに投げ捨てた生徒に対して
「あ、ポイポイだ!」
と言ったのです。
ポイポイというのは、物語でゴミをポイ捨てしていた登場人物
(※物語の最後には気持ちが変化してポイ捨てをやめる。)
の名前なのですが、
この「物語の登場人物を使った注意」は、とても効果的です。
良くない行動をした本人を非難するのではなく、その行動自体に焦点を当てた注意の仕方だからです。
日本でも、
- 「アンパンマンだったらそんなことするかな?」
- 「友達をいじめたら、ジャイアンと同じだよ。」
なんて、誰もが知っているキャラクターで注意をすることもありますよね?
こんな風に良い成果がたくさん得られました。
当時の終着点
活動を通して地域の教育関係者に認知される中で、任期満了を前に市内の企業が興味を示してくださり、
「町の教育のために!」
と、スポンサーとして 100 部製本してくれました。
しかし、周囲の学校に配布したところで任期が終わってしまった上、
絵本に関するアンケート調査や、具体的な効果を測ることも十分には実施できませんでした。
手応えのある活動だったために、帰国後も心残りに感じていました。
が、自身の経験不足による不安に加え、
パプアニューギニアは物価が高く、
渡航や安全な施設の宿泊にも多大な費用がかかるため、
なかなか挑戦に踏み出せませんでした…。
そして挑戦へ
あれから約6年が経ち、自分にも周りにも変化がありました。
- 校長や教育委員会の勤務など、より責任ある立場に就いた頼れる当時の同僚たち!
- 自分には帰国後に就職したNGOでの、教育専門家として得た経験がある!
- そして、昨年応募した協力隊を育てる会の帰国隊員支援プロジェクトに見事採択!
そんなわけで、
再びパプアニューギニアに渡り絵本を通じた国際協力活動への挑戦に踏み出そうと決意した、
と言うわけです。
まずは6月にパプアニューギニアを渡航し、プロジェクトの第一歩目を踏み出してきます。
さて、どんなプロジェクトになるのでしょうか?
続きの記事もお楽しみに!
※続きの記事を4/22にアップしました。
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